英語でユダヤ人は「Jew」、宝石は「Jewelry」である。偶然かもしれないが、両者には深いつながりがある。
ニューヨークのマンハッタンの真中(ミッドタウンと呼ばれる)あたりに宝石街があるが、そこを歩いていると一見してユダヤ人と分かる人たちであふれている。夏でも黒いスーツに黒のシルクハットでとおしている超正統派ユダヤ教のおじさんたちも多く見かける。アメリカでも宝石を扱うのはユダヤ人が多いのかなどと思わされた。
宝石の中でも最もユダヤ人と関連が深いのがダイヤモンドである。世界のダイヤモンド産業は世界中に散らばるユダヤ人のネットワークと南アフリカのダイヤモンド開発会社デビアス社によって支えられていると言われている。ちなみにデビアス社の経営者もユダヤ系だそうである。デビアス社の設立には有名なロスチャイルド(ユダヤ系)資本の後ろだてがあったそうである。
デビアス社は生産、販売機構をつくり、人為的にダイヤモンドの価格を末端価格に至るまで統制している。原石の買い付けはデビアス社、研磨加工はイスラエルという構図が出来上がっているようである。
中世ヨーロッパ社会でユダヤ人は迫害による退去を命じられるような歴史を経てきた。それゆえユダヤ人は軽くて身につけることが容易で、資産としての価値があるもの、すなわちダイヤモンドといった宝石類や金銀の工芸品を好んで所有した。そういった背景のもとユダヤ人はダイヤモンドのビジネスにも古くから携わってきたようである。
第二次世界大戦後の新生ユダヤ人国家イスラエルは大量移民を受け入れた際に、移民の中にダイヤモンド研磨の職人がいたことに着目し、ダイヤモンド産業を興し、ダイヤモンド産業を国の基幹産業の一つとして育成したようである。ダイヤモンドの輸出入に関税を掛けないなどの優遇策を講じて、ダイヤモンド産業を急速に発展させたそうである。現在全世界で宝飾品として使われる小型ダイヤの約80%はイスラエル製であり、イスラエルの対日輸出の大部分も加工ダイヤである。
イスラエルでは観光も重要な産業であるが、観光客向けにテルアビブとエルサレムにある国立ダイヤモンドセンターへの無料のバスツアーが提供されている。ホテルなどで申し込める。エルサレムにある国立ダイヤモンドセンターへのツアーには途中キブツの観光もあり無料にしては内容豊富である。
国立ダイヤモンドセンターではダイヤモンドの加工などに関するビデオ鑑賞、加工の現場の見学、ダイヤモンドの展示場の見学をすることができる。ビデオは様々な国の言語のものが用意されており、日本語のものもある。展示場ではダイヤモンドの購入もでき、価格は日本で買うよりは安いそうであるが、庶民が気安く手を出せるものではないのは確かである。展示場の販売員の中には少しばかり日本語を話せる人もいるようである。
女性のあこがれである永遠の輝きダイヤモンドの価値形成にはイスラエルとユダヤ人が深く関わっているのである。
(引用した資料)
ダイヤモンド産業とデビアス社
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