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○キャンプデービッド会談 クリントン大統領がサミットを軽視するかのようにしてまで、イスラエル・パレスチナ首脳会談に力を注いだのは、大統領任期の最後に中東和平実現という功績を残したいというねらいもあるであろうが、今が中東和平にとって重大な局面なのである。
イスラエルのバラク首相は就任時より、タカ派のネタニヤフ前首相とは大きく違って、中東和平に非常に意欲的であった。つい数ヶ月前の南レバノンからのイスラエル軍の撤退はその一つの例である。米国はそのようなバラク首相の態度を歓迎してきた。しかしながらバラク首相率いる連立与党がクネセット(イスラエル国会)の第三党シャスの離脱により過半数割れを引き起こしている。ちなみに議席数120のクネセットにおいて議会の過半数を確保するには、61議席が必要である。 また収賄容疑に問われていたワイツマン大統領の辞任を受けて大統領選が実施され、右派リクードのモシェ カツアブ前観光相が選出された。イスラエル大統領は日本の天皇のように象徴的存在で政局への直接の影響はないが、バラク政権の推すペレス候補が敗れたことは政権の弱さのあらわれと考えられる。 内閣不信任案もイスラエル・パレスチナ首脳会談のさなかにも出され、会談終了後にも提出されたが、辛くも否決された。そして8月2日にはイスラエルのレビ外相がバラク首相の対パレスチナ和平政策に反対し、辞表を提出した。同外相はバラク首相が中東和平交渉で、パレスチナ側に譲歩しすぎたと批判している。現在バラク内閣は首の皮一枚でつながっているといっても過言でないほど、厳しい状態である。 今バラク内閣が倒れ、イスラエル占領地の大幅な譲歩を必要とする中東和平進展に反対の勢力による内閣が発足でもすれば、中東和平進展のムードは一気にぶち壊しとなることは間違いない。実際労働党のラビン元首相のときに進められた和平への動きが、リクード党のネタニヤフ前首相の時に停滞してしまったという過去の事例がある。 バラク首相とクリントン大統領としては今回何としても、中東和平への難題であるパレスチナの最終地位交渉妥結を図りたかったのである。しかしそこに大きく立ちはだかったのが東エルサレム問題である。 バラク首相といえどもイスラエルで広い支持を得られる合意を生み出さねばならないのである。それゆえガザ全域とヨルダン川西岸地区の大半(80〜90%)におけるパレスチナ人国家樹立を認めるまではできても、東エルサレムに対するイスラエル側の最大限の管理権保有を譲歩することはできないのである。 一方パレスチナ自治政府は中東戦争で占領された東エルサレムの返還を一貫して求めてきた。1993年のパレスチナ暫定自治合意の時点では、エルサレム問題は棚上げして先送りされた。この宿題を解決し、中東紛争にピリオドを打つために行われているのが、現在進行中の最終地位交渉である。 1999年5月4日にパレスチナ暫定自治合意の期限が切れた時パレスチナ自治政府のアラファト議長は、パレスチナの独立宣言をしようとする動きをみせていた。しかし結局その時点では最終地位交渉を継続することで、独立宣言が出されることはなかった。 問題の先送りは根本解決では決してない。先送りされた最終地位交渉の妥結期限が再び迫って来ている。それが今年の9月13日である。 エルサレムはイスラム教徒にとってメッカと並ぶ聖地とされており、東エルサレムを首都とするパレスチナ独立国家の樹立はパレスチナ人の悲願でもある。アラファト議長も東エルサレムを首都とするパレスチナ独立に向けての強い姿勢をこのあたりで示さなければ、パレスチナの大衆の支持を失いかねない。 決裂に終わった今回のイスラエル・パレスチナ首脳会談後、アラファト議長は9月13日までに最終地位交渉が妥結しなくとも独立宣言を行うと強調している。イスラエルとパレスチナ双方に今後どれだけの歩み寄りがなされるかが中東和平の今後を大きく左右する。バラク首相、アラファト議長ともにそれぞれの民衆を代表した立場であり、簡単には譲歩できない事情がある。そういった中で何らかの妥結点を見出すのは大きな困難を伴う。中東和平の進展を祈るのみである。宗教の絡むエルサレム問題ゆえ、その行方は神のみぞ知るといったところであろうか。 (引用した資料)
○パレスチナ国家独立宣言 イスラエルとパレスチナの中東和平交渉の期限が9月13日に迫っている。そのような中、パレスチナ自治政府のアラファト議長は、この日までに合意に至らなければパレスチナの独立を宣言する構えを見せている。 中東和平交渉は9月上旬にニューヨークで再開される予定である。9月6日に国連総会の「ミレニアム」セッションが開かれるが、そこに出席するアラファト議長とバラク首相が、クリントン米大統領と個別に会談する形式になるようである。アラファト議長とバラク首相がクリントン大統領を交えての三者会談という形での会談は今のところ予定されていない。 注目はアラファト議長が東エルサレムの主権問題に柔軟な態度を示すのか、先の会談でのように東エルサレムのパレスチナによる完全主権獲得という強行姿勢を貫くかである。 現在エジプトもイスラエルとパレスチナの溝を埋めるための仲介役を買って出ている。7月の会談の決裂の原因である東エルサレムの主権問題に関し、エジプトが新たな提案をしているとされている。エジプトの仲介が功を奏するのかどうかも中東和平の行方を大きく左右しそうである。 中東和平に関して我が国、日本はどのような立場に立っているのか、どのようなことを行っているのかは、以下の外務省のウェブサイトで知ることができる。 ペレス・イスラエル首相特使とアラファト・パレスチナ解放機構議長の訪日 ●交渉を通じた解決こそが中東和平問題解決の唯一の選択肢 ●9月13日の交渉期限に際し、パレスチナがイスラエルとの合意がない形で独立を宣言すべきではなく、パレスチナの平和的に独立を望む ●パレスチナ人の民族自決権や独立国家樹立権の支持 ●民主的なパレスチナ独立国家を支持 ●パレスチナが平和裡に国家独立を宣言した場合には、その国家承認を検討 国際機関等経由、直接支援(無償資金協力)、選挙支援、草の根無償、技術協力を合わせたパレスチナ支援総額は現在までに約57,611万ドルにのぼる 中東和平プロセスを下支えするものとして、イスラエル周辺アラブ諸国(エジプト、ヨルダン、シリア、レバノン)への経済的支援を実施している
○独立宣言の延期 パレスチナの最終的地位確定の合意期限の切れる9月13日に、パレスチナは国家独立宣言を予定していた。しかし9月10日、PLOは少なくとも2か月の間パレスチナ国家独立宣言延期を決定した。一方で、パレスチナの警察を権限拡張のような将来の主権統治への準備を始めることも決めた。独立宣言の時期に関しては11月15日(PLOが1988年にヨルダン川西岸地区、ガザおよび東エルサレムで自治を宣言した日)、および2001年1月1日(PLOが1964年に設立された日)が予想されている。
○イスラエル軍とパレスチナ民衆の衝突 |
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