2023年12月18日月曜日

サムソン - 士師

サムソン - 士師

モーセの遺志を継いだヨシュアを中心としたユダヤ民族が約束の地であるカナンに定着した後のユダヤ民族の歴史を記したのが士師記です。

士師とはダビデ王やソロモン王で知られるユダヤ王国成立以前の旧約聖書時代の預言者的な指導者のことです。

士師記には他民族の侵略を受けたユダヤの民を救済する物語が記載されています。ここで扱うサムソンは士師の一人です。

サムソンが生まれる前、ギデオンはイスラエルを率いていたが、彼が死んだ後、ユダヤの民は神を忘れ、偶像を拝むようになりました。古代パレスチナの民族のペリシテ人がユダヤの民を支配するようになりました。

ある日、主の天使がマノアという男とその妻に現れました。天使は、彼らにサムソンという息子が生まれ、彼がイスラエルの民をペリシテ人から救うと約束しました。サムソンは神に仕える者とされたので、天使はマノアとその妻に、彼の髪を決して切ってはならないと告げました。

サムソンは成長するとペリシテ人の女性と恋に落ち、結婚したいと両親に告げました。両親は彼女に会うために彼と一緒に旅に出ましたが、その途中、ライオンが飛び出してきて彼らを襲おうとしました。しかし、サムソンは素手でライオンを殺したそうです。その後、サムソンの結婚式のために同じ道を戻ってきたとき、彼は死んだライオンを見て、その体に蜂が蜂蜜を作っているのに気づきました。サムソンはその蜂蜜を少し取って食べました。

サムソンはペリシテ人の女性と結婚し、結婚式の祝宴の席でペリシテ人の男たちになぞなぞを出しました。

「サムソンは彼らに言った、/「食らう者から食い物が出、/強い者から甘い物が出た」。彼らは三日のあいだなぞを解くことができなかった。」(士師記14:14)

その答えはライオンです。

ペリシテの男たちはサムソンのなぞなぞがわからなかったので、サムソンの妻に答えを尋ねました。サムソンは妻に話し、妻は男たちに話しました。男たちがなぞなぞの答えを当て、サムソンが自分の妻にだまされたことを知ると、彼はとても怒りました。怒り狂ったサムソンは妻のもとを去りました。しばらくしてサムソンは妻を探しに戻りましたが、妻は別の人と結婚していました。このことでサムソンは激怒し、ペリシテ人の畑の作物を焼いたのです。

ペリシテ人はサムソンに怒り、彼を殺そうとしました。

サムソンは別の町に逃げ、そこでデリラという女性と恋に落ちました。ペリシテ人は秘密裏にデリラのもとを訪れ、サムソンの力がどこから来ているのか、どうすれば倒すことができるのかを突き止めることができれば、報奨金を出すと言いました。

デリラは賄賂を受け取り、サムソンに強さの秘密を尋ねました。彼女は三度サムソンに尋ねましたが、三度サムソンは偽りの答えを返しました。

サムソンは女に言った、「人々がもし、かわいたことのない七本の新しい弓弦をもってわたしを縛るなら、わたしは弱くなってほかの人のようになるでしょう」。(士師記16:7)

サムソンは女に言った、「もし人々がまだ用いたことのない新しい綱をもって、わたしを縛るなら、弱くなってほかの人のようになるでしょう」。(士師記16:11)

彼は女に言った、「あなたがもし、わたしの髪の毛七ふさを機の縦糸と一緒に織って、くぎでそれを留めておくならば、わたしは弱くなってほかの人のようになるでしょう」。
(士師記16:13)

サムソンを強さの秘密は何でしょうか?

サムソンが生まれる前、天使は両親に、彼の髪は決して切ってはならないと告げました。サムソンの髪を切ると、強さを失ってしまうからでした。

デリラはサムソンを質問攻めにし、疲れ果てさせたのです。サムソンはついに彼女に真実を告げたのでした。その夜、デリラはペリシテ人に知らせ、サムソンが眠っている間に彼の髪を切りました。ペリシテ人がサムソンを捕らえようと押し寄せた時、サムソンは彼らを撃退しようとしたが、彼の力はなくなっていました。ペリシテ人はサムソンの目をつぶし、牢獄に放り込みました。

神のサムソンを通じてユダヤの民をペリシテ人から守るという計画は潰えたように思われますが、そうではありませんでした。

サムソンが牢獄にいる間に、彼の髪の毛が生え始めたのです。ある日、ペリシテ人が神殿で自分たちの偽りの神を礼拝していたとき、彼らはサムソンを連れ出し、2本の柱の間に立たせました。サムソンは神に祈りました。「神よ、もう一度だけ私を強くしてください。」

そして、サムソンは神殿が建っている二本の柱に手を伸ばしました。そして、力いっぱい押すと、柱が崩れ、神殿が崩壊し、そこにいたすべての人々が亡くなりました。

「わたしはペリシテびとと共に死のう」と言って、力をこめて身をかがめると、家はその中にいた君たちと、すべての民の上に倒れた。こうしてサムソンが死ぬときに殺したものは、生きているときに殺したものよりも多かった。(士師記16:30)

サムソンは、神が用いそうもない人物に見えます。プライドが高く、気性が荒く、神の警告に耳を傾けませんでした。それでも神は彼を用いられたのです。

最終的にサムソンは神に栄光をもたらしました。サムソンはペリシテ人を倒し、ユダヤの民を解放するために命を捧げました。サムソンの物語は、ある意味でイエス様を思い起こさせるものです。イエス様は人類を救うために十字架にかかり、犠牲になられました。

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